日本キリスト教会　西宮中央教会

共に聖書を読む楽しみ　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　西宮中央教会　牧師　藤田浩喜
　「主はソドムとゴモラの上に天から、主のもとから硫黄の火を降らせ、これらの町と低地一帯を、町の全住民、地の草木もろとも滅ぼした。ロトの妻は後ろを振り向いたので、塩の柱になった」　　（創世記19章24〜26節）

　第2、第4木曜の午前10時30分から「聖書の学びと祈祷会」をもっています。これは、会の形こそ違いますが、昼の公同祈祷会と位置付けられています。個人が家庭で祈るだけではなく、共に集まり祈りを合わせることはとても大切です。ルターが「祈りは呼吸である」と言っているように、祈りを通し神の聖霊の息吹を受けることによって教会も個人も霊的ないのちを維持することができます。夜の公同祈祷会に出にくい教会員は、ぜひお昼の「聖書の学びと祈祷会」に出席していただきたいと思います。ところでこの「聖書の学びと祈祷会」ですが、いま創世記を1章ずつ学んでいます。讃美歌を歌い、お祈りを捧げるのは夜の祈祷会と同じですが、ここでは牧師が45分ほど聖書の解説をしたあと、25分ほど参加者が自由に意見や感想を述べ合います。参加者の一人が出してくださった質問を、皆で考え合うこともよくあります。牧師は聖書の専門家であり、信徒の信仰を指導する役目を担っています。しかし聖書の御言は、一人一人の信徒がそれによって生かされてきた言葉です。だからこそ御言を共に分かち合う中で、予想もしない大きな恵みを受けることがあるのです。表題の聖書は、ソドムの町が邪悪さによって滅ぼされるときに、ロトの妻が神の、命令に背いて後ろを振り返ったために、塩の柱になったという記事です。私は次のような解説をしました。「ロトの妻は、『後ろを振り向いてはならない』（17節）という神の命令にそむき、後ろを見た。彼女はなぜ後ろを見たのだろう。ソドムに残してきたものに未練があったのだろうか。彼女は、ソドムがどうなったのかを知りたかったのではないか。それは悪いことなのか。神のなさる御業を、第三者として眺めようとする心、本当にそうなったかどうか自分の目で確かめようとする態度、その中には神を本当に恐れる信仰がないのである。ところが、出席者のある姉妹は「ロトの妻は、ソドムの町ですでに嫁いでいた娘たちのことを案じて、後ろを振り向かないではおれなかったのではないか・・・」と言われたのです。この読みには一同深くうなずかされました。とても豊かなひと時でした。皆さんもぜひ、この場にお加わりください。（2014年5月）