教会の言葉
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4月のメッセージ
2018-05-18
『三度目の正直』
「イエスが、『マリア』と言われると、 彼女は振り向いて、
ヘブライ語で『ラボニ』と言った。
『先生』という意味である。
(ヨハネによる福音書20章16節)
牧師 藤田浩喜
イエス・キリストが死に打ち勝って復活された朝、マグダラのマリアは主が葬られた墓に急ぎました。七つの悪霊から解き放ってくださった主イエスを、マリアは深く慕っていました。その主イエスが死なれた事実に、彼女は打ちのめされていました。そのことで心がいっぱいで、他のことなど何も考えることができなかったのです。それは、二人の天使たちや主イエスご自身が現れられたときの彼女の反応からもわかります。墓の中で泣いていたとき、白い衣を着た二人の天使の姿が見えました。普通なら驚いたり、恐れたりするはずです。しかしマリアは、少しも驚いてはいないのです。その後、今度は復活された主イエスのお姿を見ます。いつも一緒だった主のことがわからないはずがありません。ところが、マリアは、主のことを園丁だと思いこんで、「あなたがあの方を運び去ったのでしたら、どこに置いたか教えてください。わたしが、あの方を引き取ります。」(15節)と答えているのです。彼女の心がいかに悲しみでいっぱいで、他のことが考えられなかったかがわかります。しかし、主イエスが「マリア」と彼女の名前を呼ぶと、彼女はハッと振り返ります。「ラボニ(先生)」と答えます。マリアは自分の目の前にいるお方が主イエスであることに、ここで初めて気がついたのです。イエス・キリストが生前言われていた通り、苦しみ十字架につけられた後、三日目によみがえられたことが、この瞬間に初めてわかったのです。主は復活された。今も私たちと共におられるということを、彼女は喜びをもって受け入れることができたのです。「三度目の正直」という言葉がありますが、マリアの経験は、まさにそうでした。彼女は主イエスが十字架で死なれたという事実に釘づけされ、それ以外のことを考えることができませんでした。しかし、二人の天使が一度、そして主イエス御自身が二度、彼女に語りかけてくださいました。その三度の繰り返しなされた呼びかけによって、彼女は主イエスの復活を信じ受け入れることができたのです。マリアの復活体験はその時に、現実のものとなったのです。復活という出来事は途方もない出来事です。人間の知恵や力で受け止め得ることではありません。しかし、主は聖書の御言葉を通し、聖霊の働きかけを通し、繰り返し語りかけてくださいます。その主自らの語りかけによって、復活体験は起こるのです。
(2018年4月)