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教会の言葉

今月のメッセージ

― 2月のメッセージ ―
『水をめぐる対話から』 牧師 藤田 浩喜
「女は、水がめをそこに置いたまま町に行き、人々に言った。『さあ、見に来てください。わたしが行ったことをすべて、言い当てた人がいます。もしかしたら、この方がメシアかもしれません。』人々は町を出て、イエスのもとへやって来た。」(ヨハネによる福音書4章28~30節)
主イエスと弟子たちがユダヤからガリラヤに移動される途中に、サマリアはありました。ユダヤの人々は、歴史的に確執のあるサマリア人の地を通らず、遠回りしてガリラヤに向かいます。ところが主イエスは、大切な目的があるかのように、サマリアの町に入って行かれました。そして旅に疲れて井戸の側に座っておられました。そこに一人のサマリア人の女性が井戸の水を汲みに来たのです。主イエスはこの女性に「水を飲ませてください」と頼んだのでした。女性はいがみ合っているユダヤ人から頼み事をされて驚きます。そして水をめぐるやり取りから、主イエスと女性との対話が始まっていくのです。主は「わたしが与える水を飲む者は決して渇かない。わたしが与える水はその人の内で泉となり、永遠の命に至る水がわき出る」(14節)と語られます。水を乞われた主イエスが、実は渇くことのない永遠の命に至る水を与えるお方であることが示されます。そして二人の対話は少しずつ深まり、魂の奥深くに触れる宗教的な対話へと深化していくのです。そのポイントとなるのは、彼女の抱えていた深刻な問題でした。彼女はなぜ朝の涼しい時ではなく、日射しの強い昼下がりに水を汲みに来たのか。それは五人の夫と結婚し、今は夫ではない男性と住んでいる自分に向けられる視線を避けるためでした。そんな自分のあり様に負い目を感じていたので、人のいない時を狙って水汲みに来ていたのです。そのことを言い当てた主イエスに、女性は畏敬の念をいだきます。そして日頃は決してしないような宗教的な疑問を、主イエスに問いかけます。それは「神を礼拝するふさわしい場所はどこか」「救い主はいつ来られるのか」という問いかけです。その対話の深まりの中で女性は今、目の前にいる方が救い主であることを見出すのです。救い主と出会うのです。主イエスは、救いを必要としている人を狙い撃ちをされるような仕方で、救いに招かれます。水がめを忘れるほどに喜びと驚きに満たされたこの女性は、町の人々はに主イエスを堂々と証ししたのでした。

1月のメッセージ

― 1月のメッセージ ―
『コロナ禍を生きる』
       牧師 藤田浩喜
「また、シロアムの塔が倒れて死んだあの十八人は、エルサレムに住んでいたほかのどの人々よりも、罪深い者だったと思うのか。決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。」(ルカによる福音書13章4~5節)
新型コロナウィルス感染症第3波の拡大が止まりません。私たちの社会も教会も混乱と不安の中に置かれています。有効なワクチンが一日も早く全国民に行き渡るのを願わずにおれません。ところで人間は、これまでの歴史において幾度となく、大規模な感染症を経験してきました。イスラエルを含む古代西アジアの人々も例外ではありません。人々は疫病(=感染症)をどのように受けとめてきたのでしょう。旧約学者の月本昭男氏によると、西アジアの多くの人々は、疫病を神の怒りや疫病神の仕業に帰し、「祟り」と考えました。そして儀礼と献げ物をもって神を宥め、疫病を遠ざけようとしました。それに対して旧約聖書の信仰者たちは、これを神からの「処罰」と理解したというのです。処罰と祟りは、微妙に異なります。人間の能力を超えた災厄が神からの処罰であれば、神を宥めても始まりません。人々はそこから罪の自覚へと促され、自分たちの生きざまに反省を迫られます。自らの罪を悔い改め、神に立ち帰らなければなりません。それと同じように、現在私たちが遭遇しているコロナ禍も人間のあり方に対する神からの処罰と受け止めつことができるのではないでしょうか。もちろん、冒頭の聖書にあるように、被害に遭遇した人たち(十八人)が特に罪深かったから起こった、というのではありません。犯人捜しができるようなことではありません。そうではなく、その疫病や災害を被った時代や社会に、自覚すべき罪があり、反省すべき過ちがあるのです。私たちの時代や社会が、神の御心に背く致命的な方向に向かってはいないかと、自ら顧みる必要があるのです。ただ、疫病にせよ、災害にせよ、それらが起これば、犠牲になるのは富者よりも貧者、健常者よりも障がいを抱えた人たち、強者よりも弱者です。神による処罰にそうした不条理があってよいものか、というのは大きな課題です。時代と社会への罰であれば、連帯してそれを負っていかなくてはならない。悔い改めは、そこにまで思いいたる必要があると思います。

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