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教会の言葉

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8月のメッセージ
2018-09-17
『御心に目を注ぎ進もう』
「そこで、イエスに言われた。『剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。わたしが父にお願いできないとでも思うのか。お願いすれば、父は十二軍団の天使を今すぐ送ってくださるであろう』」。(マタイ福音書26章52~53節)
                         牧師  藤田浩喜
8月は戦争と平和について思いをはせる時です。それは6日に広島に、9日に長崎に原爆が投下され、15日に日本が敗戦を迎えたからです。しかし、短大で長らく教えておられたある先生が、「今の若い人たちは8月と聞くだけで拒否反応のようなものを示す。それは戦争の悲惨さを連想させ、彼らの心を重くしてしまうようなものだ」、と言っておられました。将来に様々な不安を抱えた若い人たちにとって、過去の悲惨な歴史を想起することは、重荷を一つ増やすようなしんどさがあるのかもしれません。主イエスは自分の逮捕を阻止しようと剣を振り回す弟子の一人に、「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる」と言われました。弟子は剣を帯び武装した大祭司の手下に、同じ剣で応戦しようとしました。それはこの世で当たり前のように行われていることです。しかし主イエスは、自分が逮捕されるかどうかということに、目を向けてはおられません。主が見ておられるのは、お願すれば十二軍団以上の天使を送ってくださる天の父の計り知れない御威光であり、それ以上に、ご自分を通して天の父が実現されようとしている大いなる御業でした。同じ状況に置かれていても、弟子が見ているものと主イエスが見ているものは、まったく違っていたのです。「剣を取る者は皆、剣で滅びる」。これは人間の歴史を見ても真理だと思います。圧倒的な武力をもって広大な領土を支配した大国も、次々に滅びていったのです。その歴史の教訓を知るゆえに、私たちは戦争に反対し、核を始めとする軍備の増強に強く反対しているのです。そかし、そうした声は将来に漠然とした不安を抱えた若い世代には、なかなか伝わりません。「武力で対抗していかないのは非現実的である」という政治界の言葉の方に惹かれていってしまうのでしょう。そうではなく、私たちは主イエスを信じる者として、主がそうであったように、天の父が実現されようとしておられる御心にこそ、目を注いでいかなくてはなりません。天の父は和解と平和と地にある人々の幸いを願っておられます。それが天の父の御心です。それがこの世界に実現するように、あらゆる知恵を出し合い、粘り強く努力し続けることが、進むべき道なのです。(2018年8月)

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