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教会の言葉

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10月のメッセージ
2018-11-16
「造り上げるための権威」
「あなたがたを打ち倒すためではなく、造り上げるために主がわたしたちに授けてくださった権威について、わたしがいささか誇りすぎたとしても、恥じにはならないでしょう」。(コリントの信徒への手紙10章8節)
                         牧師  藤田浩喜
教会の交わりには、上下関係はありません。教会には牧師、長老、執事という務めがありますが、そのような務めについている人が偉いのではありません。それらは神に仕え、キリストの体なる教会に仕えるための奉仕なのです。パウロが7節で語っているように、「わたしたちもキリストのものである」ということだけが、教会における共通の身分です。キリストに属する一人一人であるという点において、何の違いも優劣もないのです。しかし、パウロはコリントの教会に、「権威」をもって手紙を書きました。その「手紙は重々しく、力強く」(10節)、コリント教会のある人たちには、「脅かしている」(9節)ように感じられたようです。パウロの激しい感情を交えて言葉に、圧倒されるような思いがしたのでしょう。ところが実際にパウロに会って、その説教を聞くと、「弱弱しい人で、話もつまらない」(10節)。弱弱しく見えたのは、彼の病気のせいだとも言われます。とにかく手紙を読んだ時と実際会った時の印象が、あまりにも違う。そのように感じたコリントの人たちは、パウロという人は権威主義者だ、権威を振りかざして自分の言うことに人を従わせようとしていると、批判したのでした。
しかし、教会というのは単なる親睦団体ではありません、もめ事もなく和気あいあいとしていればそれで良いという群れではありません。教会はキリストの体であり、頭であるキリストの御心に適う群れとして成長していかなくてはなりません。キリストが自らを献げて世に仕えてくださったように、教会もこの世界に救いと平和をもたらすために仕えていかなくてはなりません。パウロはそのために、「肉のものではなく、神に由来する力である」(4節)権威をもって、コリントの人たちに手紙を書いたのでした。その権威は「あなたがたを打ち倒すためではなく、造り上げるために主がわたしたちに授けてくださった権威」(8節)だったのです。わたしたちにも、この権威が授けられています。牧師、長老、執事もこの権威を帯びて、その務めを果たします。教会という群れが、世界の救い主であるイエス・キリストを真に証しする群れとして成長するために、この権威が用いられるよう願います。(2018年10月)

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