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教会の言葉

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6月のメッセージ
2019-07-22
「壁を乗り越えていく福音」
「この物音に大勢の人が集まって来た。そして、だれもかれも、自分の故郷の言葉が話されているのを聞いて、あっけにとられてしまった」(使徒言行録2章6節)
                        牧師  藤田浩喜
過越の祭から五十日後、集まっていた弟子たちに聖霊が降りました。彼らは「あなたがたの上に聖霊が降りると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリヤの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人になる」(使徒1:8)という主イエスの約束を、信じて待っていました。祈っていました。その彼らに約束の通り聖霊が降ったのです。すると、どうでしょう。一同は聖霊に満たされ、”霊”が語らせるままに、他の国々の言葉で話し出した。(使徒2:4)というのです。これは多言奇跡と呼ばれています。ガリラヤ出身の弟子たちが、離散のユダヤ人たちが住む諸外国の言葉を、その瞬間に話せるようになったということでしょうか。そのような不思議なことが起こらなかったとは言えません。しかしここでもっと大切なことは、聞いていた人たちがそれぞれの出身地を挙げた後、「彼らがわたしたちの言葉で神の偉大な業を語っているのを聞こうとは」(使徒2:11)と感嘆していることです。神が主イエス・キリストを通してなされた偉大な救いの御業(それは使徒2章14節からのペトロの説教が証ししています!)を聞いた時、国を越え言葉を越えて、その出来事が迫って来た。自分に向けられた、自分のための救いのメッセージとして受け取ることができた。そこに、この箇所の焦点があります。イエス・キリストの十字架と復活の福音には、国境はありません。言葉の壁もありません。その福音を聞かされた者たちは、お互いが同郷の友であるかのように、心を通い合わせることができるのです。これまで何度か韓国に行き、その他のクリスチャンたちと交わる機会がありました。残念ながら、ハングルはあいさつ程度しかできません。韓国(朝鮮)と日本との間に、安易な未来志向で済ませてはならない厳しい歴史が横たわっていることも知っています。しかし、イエス・キリストを主とあがめる韓国のクリスチャンたちに出会う時、何とも言えない親しさや一体感を、覚えずにはおれないのです。主の十字架と復活の福音こそが、あらゆる違いや壁を乗り越えさせるのです。(2019年6月)
 

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