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教会の言葉

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7月のメッセージ
2019-08-26
「置かれた場所で伝えなさい」
「さて、主の天使はフィリポに、『ここをたって南に向かい、エルサレムからガザへ下る道に行け』と言った。そこは寂しい道である。フィリポはすぐ出かけて行った」(使徒言行録8章26~27節)
                        牧師  藤田浩喜
ここから選ばれた七人の一人(使徒6:5)フィリポが、神を畏れるエチオピアの高官に伝道し、洗礼を授けた記事が始まります。しかしその前に、フィリポはサマリアで伝道し、「男も女も洗礼を受けた」「すばらしいしるしと奇跡が行われ」たのでした。フィリポの精力的な働きによって、多くの実りがもたらされ、サマリアの地に、主を信じる群れが誕生しました。そのフィリポに、主の天使が新しい使命を知らせます。それは「エルサレムからガザへ下る道に行け」ということであり、そこは人気のない寂しい道だったのです。私たちがこのような使命を与えられたらどうでしょう。そのような場所にいくことに大きなためらいを感じたに違いありません。少しも意味を見いだせなかったでしょう。しかしフィリポは、すぐにその場所へと出かけます。すると、そこでエルサレムからの帰途にあったエチオピアの宦官の馬車に遭遇し、”霊”に促されたフィリポは、馬車を追いかけ、イザヤ書を朗読していた宦官に話しかけます。そして読んでいたイザヤ書の箇所が、イエス・キリストのことを指し示していることを説き明かし、宦官はその場で主を救い主として受け入れ、フィリポから洗礼を受けるのです。後代エチオピアはキリスト教が盛んな地域になりましたが、この宦官はその喜ばしい初穂となったのです。私たちは主の御業のすばらしさを思うと同時に、フィリポの伝道者魂のようなものを強く感じます。彼はどのような使命を与えられても、前の場所が良かったなどと、腐ったりはしません。与えられた場所で、自分ができることを生き生きと行うのです。この地でも神さまが素晴らしい伝道の道を開いてくださる。その希望が、彼の伝道の原動力でした。その地にあっても、そして群衆にも個人にもフィリポは福音を伝え続けたのです。「伝道は順調な時だけにできる。条件が整わないと、伝道は無理だ」。もし私たちがそう考えるなら、伝道の機会はなかなか訪れないでしょう。どのような状況であっても(たとえ迫害で散らされようとも)キリスト者が生きている場所と時とが、常に主を証しする舞台なのです。(2019年7月)

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