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教会の言葉

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5月のメッセージ
2020-06-19
 『人と人を繋ぐ共通語』  牧師 藤田浩喜
 「人々は驚き怪しんで言った。『話をしているこの人たちは、皆ガリラヤの人ではないか。どうしてわたしたちは、めいめいが生まれた故郷の言葉を聞くのたろうか』」。
(使徒言行録2章7~8節) 
今月の31日(日)には、今年のペンテコステ(聖霊降臨日)を迎えます。冒頭のペンテコステの記事では、「一同は聖霊に満たされ、”霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした」(4節)とあります。これは「多言奇跡」と呼ばれ、「バベルの塔」の出来事と対比されます。神の高みにまで塔を届かせようと高ぶった人間の言葉を神は乱され、人々は互いに言葉が通じ合わなくなりました。しかし、ペンテコステに聖霊を注がれた人々の語る言葉は、それぞれの故郷の言葉として聞かれたのです。聖霊の働きを通して語られた福音の御言葉は、国の違いや言語の違いを乗り越えて、人々の心に収まります。届けられた福音によって、人は本当の意味で理解し合い、心を通わすことができるのです。私たちは今、新型コロナウィルス感染症によって甚大な被害を受け、苦しんでいます。一刻も早い終息を願うばかりです。しかし、この感染症の世界的な拡大は、私たち人類に大きな問いと決断を投げかけています。つまり、この世界は深く結びつけられており、自国だけが生き残ることはできない。自分が生き残るためには、他者を助けなくてはならないということです。グローバルな現代社会は、人と物が短時間で大量に行き来する社会です。それをストップして、自国だけで生きていくことはできません。しかし、人や物の動きに合わせて、ウィルスや細菌も移動します。それらの感染症の流行は、これからも幾度となく繰り返されるでしょう。そうであれば、自国の社会の安全だけを守るだけでは立ち行きません。世界の国々が一致協力して、他国を助けなくてならないのです。ある有名な経済学者が述べていたように、「最も完全な利己主義は、最も安全な利他主義によって守ることができる」のです。主イエスは「自分を愛するように、あなたの隣人を愛しなさい」と教えられました。この愛の相互関係こそが、私たちの世界の中で人と人を繋ぐ「共通語」にならなくてはなりません。神からの聖霊は、その関係を推し進めてくださいます。(2020年5月)
 

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