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教会の言葉

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9月のメッセージ
2010-09-01
「借りぐらしの生活」      西宮中央教会牧師  藤田 浩喜

スタジオ・ジブリの最新作の映画「借りぐらしのアリエッティ」を観ました。この作品は、メアリー・ノートンのファンタジー小説『床の下の小人たち』を映 画化したものです。ある自然豊かな森の中に歴史を感じさせる洋館が建っています。その建物の床下には、小人の家族が住んでおり、人間からいろいろな物を借 りながら生活をしていました。

砂糖やティシュ、パンなど生活に必要な物をすべて、人間が知らないうちに借りてくるのです。その小人家族の14歳の少女がアリエッティ。ジブリの映画には いつものように登場する、可憐でしかも勇気のある女の子です。ある日のこと、この洋館に翔という人間の男の子が、静養のためにやってきます。翔は洋館の女 主人の孫で、近いうちに難しい心臓病の手術を受けることになっていました。この翔に、アリエッティは姿を見られてしまうのです。床下の小人たちは、姿を見 られてしまうとそこから引っ越さなくてはならないのが定めでした。しかしアリエッティと翔の間には、初恋にも似た心の交流が生まれます。翔はアリエッティ の家族のために何かと力になろうとします。しかし好奇心の強いお手伝いのハルに、アリエッティのお母さんが捕まってしまいます。翔の機転によってお母さん は助けられますが、もはや洋館に住み続けることはできなくなり、アリエッティの家族は新しい借りぐらしの場所を求めて出発するのです。

何か大きな出来事が起こるわけでもなく、借りぐらしの様子やアリエッティと翔のほのかな思いがていねいに描き込まれるだけのお話なのですが、干からびた心がうるおいで満たされるような物語でした。

小人の家族は借りぐらしの生活で、あらゆる生活に必要な物を人間からもらってきます。それは考えてみれば、神さまの御前にある私たちの姿でもあるのでは ないでしょうか。聖書にも「いったいあなたの持っているもので、いただかなかったものがあるでしょうか。もしいただいたのなら、なぜいただかなかったよう な顔をして高ぶるのですか」(コリントの信徒への手紙一4章7節)と言われているように、生きていく上で必要なものは、すべて神さまからいただいた物なの です。その借りぐらしの慎み深さを忘れてしまい、わがもの顔で振る舞ってきたことが、さまざまな危機を生み出しているのではないでしょうか。私たちの家主 である神さまは、私たちの生活が成り立つように、心を砕き配慮してくださいます。私たちにとって最も欠けがいのないものを与えてくださいます。このお方に 心から委ねつつ借りぐらしの生活をしていきましょう。(2010年9月)

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