教会の言葉
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喜ばしく仕えるために
西宮中央教会牧師 藤田浩喜
「それで、兄弟たち、あなたがたの中から、”霊”と知恵に満ちた評判の良い人を7人選びなさい。彼らにその仕事を任せよう。」(使徒言行録6章3節)
西宮中央教会は、幅広く宣教活動を展開している教会だと思います。日曜学校に集ってくる子どもたちも幼稚園のおかげで多く、ふれあいマーケットなどの奉仕の機会もあります。伝道委員会はじめ各委員会も精力的に活動しています。また地区、中会、大会の働きにも奉仕者が出ており、会場を提供することもしばしばです。先日も中会連合婦人会修養会のしおり作りのために、多くの婦人会員の方が出席くださり、その働きの大きさを実感しました。しかし、当教会もご多分に漏れず、教会員の減少や高齢化が重くのしかかっています。そうした中で、10年前、15年前と同じ活動を続けてきましたが、その無理やひずみがそこここで現れて来ているのではないでしょうか。例えば、今年のふれあいマーケットも、晴天に恵まれて盛会でした。感謝すべきことです。しかし、各売り場や担当者の人繰りは大変でした。十分な奉仕者が得られず、複数の持ち場を掛け持ちしたり、休憩時間を満足に取れない教会員もおりました。奉仕できる人は精一杯努力してくださっているのですが、持ち場に対して奉仕者の数が絶対的に足りません。ふれあいマーケットをこれからも継続するなら、様々な点での変更や工夫が求められるでしょう。そして、このことはふれあいマーケットのみならず、教会の宣教活動全体に求められていることだと思います。教会が縮小していくのに対応して、ただそれに合わせていこうというのではありません。新しい人たち、若い世代を教会に招くためにも、これから10年、15年と喜ばしく宣教活動を続けていくことのできる形を、みんなで模索し、整えていきたいと願っています。初代教会において、教会員の増加に伴い貧しい教会員への日々の配給の問題が、持ち上がりました。この日々の配給に時間と手を取られてしまい、使徒たちが担っていた伝道活動に支障が出始めました。そこで7人の執事を新たに選び、彼らに日々の配給の仕事を任せたのです。初代教会においても、教会の状況の変化に対応して、組織や体制を整えていったことがわかります。教会の持てる力や諸状況に見合った活動をもう一度考え直し、それに必要な組織やしくみを整えていく。教会に仕えることが過重負担にならず、喜ばしく奉仕し続けられるように配慮していくことが何よりも大切だと思います。簡単なことではないでしょうが、教会のかしらである主イエスに依り頼みつつ、”霊”に根ざした知恵を傾け合って、新しい幻を与えられたいと思います。(2012年5月)