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教会の言葉

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6月のメッセージ
2013-07-19

「共に苦しむ覚悟」
               
             西宮中央教会 牧師 藤田浩喜
 「つまり、あなたがたは、キリストを信じることだけでなく、キリストのために苦しむことも、恵みとして与えられているのです。」
    (フィリピの信徒への手紙1章29節)  

5月28日(火)〜30日(木)全国連合婦人会修養会が沖縄で開催され、6名の婦人たちと一緒に参加しました。沖縄は梅雨の中休みで3日間晴天に恵まれ、楽しく充実した時を過ごすことができました。28日(火)午後に修養会は始まり、川越弘牧師(沖縄伝道所)から「キリストの証人として生きる」という主題講演を聞き、比嘉美恵子さん(沖縄伝道所委員)、石原絹子司祭(日本聖公会沖縄教区)の証言に耳を傾けました。川越先生は、沖縄の置かれた困難な状況を、歴史的あるいは政治的観点から的確に描き出してくださり、十字架に死んだが復活されたイエス・キリストにのみ希望があることを力強く語ってくださいました。比嘉姉は、沖縄伝道所での信仰生活に支えられながら、40年間児童養護施設で子どもたちの育ちと関わって来られた歩みを証ししてくださいました。また、石原先生は、沖縄戦が行われたとき7歳であり、鉄の暴風雨と言われた南部の戦いの中で、ご両親やご兄弟をすべて失われました。その時の証言はあまりにも衝撃的で、心は揺さぶられ涙を止めることはできませんでした。夜は一同が集まり、レセプションの夕食をいただきました。29日(水)は島田善次牧師(宜野湾告白伝道所)による朝の礼拝に始まり、グループディスカッション、各グループの報告の時、そして駒井利則牧師(島原教会)による閉会礼拝へと進んでいきました。グループディスカッションは各10名ぐらいで、とても話しやすかったと好評でした。他の教会の婦人たちの意見に耳を傾け、豊かな交わりの時となりました。午後はレンタカーを借りて、南部戦跡に向かいました。平和祈念公園では、戦没者の名を刻んだ石板の並ぶ「平和の礎」を見たり、各県の戦没者慰霊碑の並ぶ遊歩道を歩いたりしました。次に、ひめゆりの塔記念館に行きましたが、前回私が行ったときよりも格段に整備され、若い人たちにも見やすい視覚的な展示になっていました。南部戦線ではひめゆり部隊の多くの女学生が命を落としましたが、その中に古謝優子姉ゆかりの方がおられるのを発見して、一同びっくりしました。30日(木)の最終日は、午前中首里城公園に行き、尚氏の王朝時代の繁栄を偲ぶことができました。また、近くにある石畳の道をそぞろ歩きし、路傍の草花をめでたり、琉球独自の建築様式に目を見張りました。午後は中部にまで足を延ばし、嘉手納基地を見渡せる道の駅の展望台に上り、灰色の異様な軍用機の離発着を眺めたり、地の底から響いてくるような軍用機の轟音に耳を覆いたくなるような経験をしました。またさらに南部の読谷村にも行き、集団自決のあったチビチリガマ(ガマ:爆撃を避けるために避難した奥行のあるほら穴)の前に立って、68年前の悲劇にしばし思いを寄せました。
沖縄の歴史、沖縄の今と、ヤマトである私たちの歴史、今は決して無関係ではありません。無関係であるどころか、昔も今も、沖縄の人たちの苦しみ、悲しみの上に、私たちの平和や繁栄が築かれています。沖縄の人たちに、一方的な苦しみを負わせるだけでよいのか?その鋭い問いかけを、今回あらためて自らに問われる思いがしました。(2013年6月)

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