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教会の言葉

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4月のメッセージ
2016-05-13
「神の御心に触れたヨセフ」
                    牧師  藤田 浩喜
 
「恐れることはありません。わたしが神に代わることができましょうか。あなたがたはわたしに悪をたくらみましたが、神はそれを善に変え、多くの民の命を救うために、今日のようにしてくださったのす。」
 (創世記50章10~20節)
3月30日(水)~4月1日(金)関西学院千刈キャンプで行われたジュニア青年部修養会に行ってきました。高校生年代の人たちが中心ですが、小学1年生から25歳くらいまでの幅広い年代の人たちが参加しました。主題は「ヨセフ物語」であり、この前、中会議長になられた藤田英夫先生から、大変内容豊かな講演を3回お聞きしました。そしてそれを基に、小学生、中学生、高校生年代、青年、大人の5つのグループが、ヨセフの死亡を伝える新聞記事を作るという興味深い活動を行いました。その新聞には「ヨセフの系図」、「葬儀の様子を取材した記事」、「ヨセフ自身の遺した言葉」、「宣伝広告」もあり、なかなかの力作ぞろいとなりました。その新聞はいち早く1階ホールのつい立てに掲示してありますので、ぜひご覧になってください。わたしは今回の修養会では小学生のグループを担当したのですが、みんな可愛くとても積極的で、孫に相手をしてもらっているおじいちゃんのような、嬉しい満ち足りたときを過ごしました。冒頭の聖句はその修養会で学んだ箇所であり、ヨセフによってエジプトに移り住み、幸いな年月を送っていたヤコブが死んだ時のことが記されています。兄たちは、父が亡くなることによって、ヨセフが今度こそは自分たちに復讐するのではないかと恐れます。そのため、生前父が遺していた言葉を伝えるのです。それは、「確かに、兄たちはお前に悪いことをしたが、どうか兄たちの咎と罪を赦してやってほしい」というものでした。兄たちは自分たちの罪がどんなに大きいか、罪に対する恨みがどれだけ根深いものであるかを知っていたのです。ここには、創世記の透徹した人間理解が表されています。確かに人間は、自分の存在を抹殺しようとした相手の罪を容易に赦すことなどできないのです。しかしヨセフは、神の大きな働きの中に自分がおかれてきたことを知りました。神が兄たちの罪さえも善きことに変え、多くの民を救うために用いられたことを知らされました。大いなる神の御心に触れたヨセフは、そこに神ご自身の赦しを見たがゆえに、兄たちへの復讐心を乗り越えることができたのです。神の御心を知らされることだけが、人を罪の縄目から自由にします。神は御子の十字架によって、その御心を現わされたのです。
 (2016年4月

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