教会の言葉
バックナンバー
12月のメッセージ
2017-01-20
私たちのための救い主
牧師 藤田浩喜
「『あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている
乳飲み子を見つけるであろう。
これがあなたがたへのしるしである。』」
(ルカによる福音書2章11節)
ご承知のように、すずらん幼稚園ではクリスマスにキリストの降誕劇(聖劇)を行います。12月になると、少しずつ準備が進んでいきます。年長児がメインで、マリア、ヨセフ、天使、羊飼い、3人の博士、宿屋さんなどに扮します。年中字はぴかぴか光る星たち、年少児はかわいい羊に扮して、降誕劇を盛り上げます。その降誕劇の中で、夜、羊の番をしている羊飼いたちが語るセリフがあります。おびただしい天使が現れて、救い主となる赤ちゃんが生まれたことを告げます。そのあとでこんなセリフが交わされるのです。「ユダヤに救い主がお生まれになったって言ってたね。」「でも、貧しい僕たちのところになんか来られないよ。」「でも救い主メシアがお生まれになった。その救い主である乳飲み子は、馬小屋の飼い葉桶の中に寝かされているって言ってたよ。」「それじゃ、みんなで、その救い主に会いに行こう。」羊飼いたちは、ベツレヘムの馬小屋に急ぎます。そして、天使が言った通り、馬小屋の飼い葉桶の中に寝かされている赤ちゃんを見つけます。馬小屋の飼い葉桶の中に、救い主である赤ちゃんがおられる。彼らはそのことを見て、この救い主が貧しい羊飼いである自分たちのために来られたということを信じることができたのです。神の子であり、救い主であるイエス・キリストが、馬小屋の飼い葉桶の中でお生まれになった。王さまの宮殿でも、大富豪の屋敷でもなく、粗末な飼い葉桶の中にお生まれになった。神はそのことを通して、この救い主が貧しい人、苦しんでいる、悲しんでいる人の救い主であることを明らかにされたのです。もしイエス・キリストのお生まれになったところが兵士の守る王の宮殿や門で囲まれた大富豪の屋敷であったなら、貧しい羊飼いは救い主に近づくこともできなかったでしょう。どんなに貧しい人も、悲しんでいる人も、重荷を負っている人も、救い主であるイエスさまとお会いすることができるように、イエス・キリストは馬小屋の飼い葉桶の中でお生まれになられたのです。この救い主は、「神が我らと共におられる」ということを実現するために、この世界に来られ、馬小屋の飼い葉桶の中に生まれてくださったのです。どんな状況にある私たちであっても、その私たち一人一人の救い主になってくださるために、イエス・キリストは誕生されたのです。このクリスマスの出来事を、心から祝いましょう。
(2016年12月)